100種類のメニューを2台で対応。作業効率が高く、調理時間も短縮
阪急神戸三宮駅西口高架下の一角を占める「KOBE new WORLD」は、外壁を植物で埋め尽くした花時計が目を引く、明るく洒落たデリ&カフェ&レストラン。神戸や東京をはじめ全国26店舗の居酒屋を展開してきた株式会社ワールド・ワンの新業態として2021年4月に誕生した。
イートインに加えてテイクアウトできるデリコーナーを設けることで、オープンから着実に売上げを伸ばしている。1階では一番人気の「KOBEパブチキン」や「カップデリ」の数々、新感覚のおにぎり「ライスサンド」などが並び、お客様は惣菜感覚で買い物をしていく。2階席ではランチタイムになると満席が続き、洋食を中心としたランチだけでも約100食の注文が入る人気ぶりだ。
同店では、テイクアウト、レストラン用合わせて100種類のメニューに対応するため、iCombi® Proに加え、展示会でiVario® Proのデモンストレーションを見て、いずれセントラルキッチンで活用することも考えてiVario® Proを導入。「多種多様なメニューを大量に作れて、作業効率も上がり、人件費だけでなく調理指導にあてる時間も節約できています」と同社 取締役 開発本部長 岡井友満氏は話す。
出勤前にランチを購入するお客様も多いことから、朝の仕込みはiCombi® ProとiVario® Proをフル活用して、炊飯とパスタ茹でから始まる。パスタはiVario® Proに別売りバスケットをセットすれば、注水から湯沸かし、パスタの引きあげは自動でおこなわれる。15Kgのパスタを茹でるのにかかる時間は注水・湯沸かしを含め22分だ。茹で終わり後の素早い排水により、空になった同じパンで今度はパスタとソースを和えることも可能となり、調理のオペレーションの簡素化が実現したという。
人気のルーローなど煮込み料理が、週に一度の大量仕込みでまかなえる
iVario® Proの導入で岡井氏が思いついたのはクリームコロッケだ。焦げつきやすいベシャメルソースを鍋で大量に作るのには熟練の技が必要だが、細やかな温度設定ができるiVario® Proなら手間のかかるベシャメルソースを大量に調理できるため、「ビーフ」「カニ」「エビ」の3種類のクリームコロッケを提供できるようになった。また、揚げ物では油の温度を短時間で上げ、料理によって揚げ温度コントロールも緻密に行えるため、揚げ油の傷みも少ない。
洋食の代表格、グラタンのソースなどは1週間分をiVario® Proでまとめて調理している。中でも特に人気の「台湾ルーローグラタン」は、大ぶりに切った豚肉10㎏をパンで炒め、自動給水後、スパイスを入れて30分間煮込む。「大量の肉をパンに入れても温度が下がらず、しかも熱が全体に回っているので均一に焼けますし、煮込みの段階になったらiVario® Proがプログラム通りに調理してくれるので、スタッフは他の作業を進められてとても効率的です」と岡井氏。
テイクアウトでもレストランでも、注文率が高いハンバーグは、iCombi ® Proと iVario® Proとのコンビネーション使いが力を発揮する。iVario® Proで表面に焼き色をつけた後、iCombi ® Proに投入すれば、肉汁たっぷりの香ばしいハンバーグが焼き上がる。「iCombi® ProとiVario® Proが職人の仕事をしてくれるので、アルバイトスタッフでも微妙な火加減を要する料理を任せられます」(岡井氏)。高温調理でも機器が熱を持たないため、厨房内の気温は上がらず、暑い季節も快適に働くことができるという。
お酒に合うメニューも多く揃える「KOBE new WORLD」では、バー営業も強化していきたいという岡井氏。また、各店舗の看板商品に絞った小規模なテイクアウト店を駅ナカなどに出店していきたいと考える。一方で飲食業界は慢性的な人材不足。新店舗の展開には、質の高い料理を効率的に作れるiCombi® ProとiVario® Proが欠かせなくなりそうだ。
導入メリット
● サイズがコンパクトで厨房にちょうどよいサイズ
● 100種類のメニューのほぼすべてをラショナルの機器2台でまかなえる
● 高度なテクニックを要する料理がアルバイトスタッフでもでき、人件費や教育時間を節約できる
● カレーなどのソースを1週間分、まとめて大量調理できる
● 調理中も機器自体の温度が上がらず、厨房内の気温が上がらないため、労働環境が快適になった